ワイナリー・テヌーテ・デットーリは、2000年収穫のワインでデビューしたばかりの若いワイナリー。デットーリ家としてのワイン造りの歴史は長いが、量産型のワイナリーであった。このワイナリーを180度方向変換して、品質重視の少数生産型ワイナリーに立て直したのは、祖父から畑を受継いだ若きオーナー、アレッサンドロ・デットーリ。

｢健康なぶどうから造られるワインには、余分な機械、テクニックは必要ない。｣そう発言する彼のセラーはいたってシンプル。マエストラーレという地中海地方の風が吹き抜ける彼の畑は、過剰な湿度に伴うカビの心配も無く、燦々と照る太陽のもと、薬品に頼らなくてもぶどうは健康に育つ。種から育てられたというぶどう畑は樹齢40年から120年と古く、この土地の歴史をワインとなって表現する。木樽は使わずにあくまでシンプルに醸造したワインは、土地の歴史と空気、その年の気候、全てを私達に語りかけてくる。

個性の無い、ステレオタイプのワインに対抗する、サルデーニャはセンノリのワイン。熟成型の彼らのワインは、ゆっくりと時間をかけて味わいたい。グラスの中で変化していくワインの香りをじっくりと楽しんで頂きたいワインなのである。