現在ワイナリーは息子クリスティアンに世代交代。ドイツで醸造学を学んだ彼がワイナリーの舵を取る。彼らの醸造スタイルは近代的ではあるが、度を越しすぎない。彼らの進める｢改革｣は、ぶどうの栽培方式をペルゴラからグイヨーに変えること。そして厳選した酵母を使用し、それぞれのぶどう品種にあった環境で醸造を行うことである。バリックに関しては1985年から使用しているが、これも度を越し過ぎない｢ちょうど良い匙加減｣をモットーとしている。

ヴァルドグリアスのフィロソフィーは少量でも誰もが納得できる上質のワイン造りである。近年まで、ワイナリー周辺ではいわゆる｢自家製ワイン｣の製造者が多く、質や醸造技術において問題があった。そこでヴァルドグリアスは他のワイナリーと協力し合い、他の地域からエノロゴを招きワインの講習会を行ったり、試飲会を催したりしてレヴェルアップを図る。そんな彼らの情熱が実を結び、彼らの造るワインはイタリア国内でも高い評価を受けている。
ぶどうの特徴を上手く表現したラグレイン、カベルネ・ソーヴィニョンは彼らの前向きな努力の結晶なのである。