一冬後の3月、1年に1日しかないビオディナミでいう植樹に適した“フルーツの日”にブドウの苗を1,5ヘクタールに高密度(1ヘクタール/1万本)で植樹した。苗の3分の1は接木なしの植樹法で、残りは2006年の8月に休眠中の新芽を直接畑で接木を施した。ブドウは地域の伝統的な品種で、赤はグレゲットとアレアティコ、白はプロカニコ、モスカートとマルヴァジア、ヴェルメンティーノ。新しいブドウ畑の2007年の収穫を待つばかりではなく、2005年からボルセナ湖河畔に約2ヘクタールの古い(40〜60年)ブドウ畑を借り栽培・生産をしている。 いずれの土地においても彼らの農法は“自然”が基調で、その分野での数多くの公的な認証を得ている。自然のスタイルをあくまでも重視し、彼らの畑はブドウ、オリーブ、果樹、農産物が入り交じっている。自然施肥の土壌には一切化学肥料、有機鉱物は使用していない。コンポストと牛の角の中に家畜の糞尿とワラの堆肥を詰めて発酵させたビオディナミ式の肥料のみを使用している。収穫は手作業で9月末から10月初旬に行われる。醸造方法は先進技術もワイン醸造製品も全く取り入れていない。発酵は土着の天然酵母のみ、春になり自然が目を覚ました時にマロラティック発酵が起こる。醸造方法はブドウごとに選択;シンプル、ナチュラル、皮ごとのマセラシオン(茎ごと、あるいは粒のみ)樹脂内・ステンレスタンク内・木樽内発酵、ルモンタージュ、攪拌、無水炭素添加マセラシオン、醸造用桶での熟成、各サイズでの樽熟成など様々な方法が取られている。また当然醸造方法は季節によっても左右され、つまりそれにより熟成、ブドウの育ち具合、ブドウ品種、樹齢等によって変わり続ける。 |
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