ペーター・ワクトラー

タスケレルは90年代前半にタスケレルホフのオーナーであるペーター・ワクトラーが所有することになり、急斜面にある畑に手作業で石を積み上げて、畑を作り上げた。日当たりの良い南東向きの急斜面にはシルヴァネール、ヴェルトリネール、ゲヴュルツトラミネールなどが植樹されている。畑はテッラッツァメントと呼ばれるひな壇のように形成された畑で、45度もの傾斜角の断崖ともいえる急勾配につくられているため、畑での作業に機械を持ち込むことはできず、すべてが手作業で行われる。それぞれの段につくられた狭い幅の畑の土壌は片岩質で、これら三種のブドウを育てるのに特に適しており、出来あがったワインに非常に豊かなミネラルと酸を与えてくれる。

2001年から2002年にかけては、タスケレルに隣接する位置的にも非常に貴重な2ヘクタールの未墾の土地を手に入れ、この新しい畑にはリースリングとケルナーが植樹された。そして2006年春にケルナーの2005年ヴィンテージを初めて瓶詰め。醸造にはアカシアの木樽が60％、ステンレスタンクが40％の割合で使われ、ワインは木製の大樽で5月下旬まで熟成させたあと、6月上旬に瓶詰めを行った。より完熟した葡萄を得るため、これら二つの品種の収穫は比較的遅い時期（10月中旬から下旬）に行われる。

ペーターは確たるコンセプトに基づいてブドウ栽培を行っている。
『収穫量を減らすことはワインのクオリティを上げることにつながる。ワインの特徴は、カンティーナからではなく畑から生まれる。』